ノア動物病院

お問い合わせ・ご予約

011-841-0729

緊急の方はこちら

080-9611-8108

トリミング・ホテル「バレーナ」

011-876-8765

公式LINE

WEB予約

出勤表

Instagram

電話アイコン お問い合わせ

閉じる

BLOG

ブログ

犬の僧帽弁閉鎖不全症とは?具体的な治療内容について

こんにちは。札幌市豊平区のノア動物病院です。

「健診で心雑音があると言われた」
「心臓のお薬は、いつから必要なの?」
「最近咳が出るけれど、心臓が原因?」

犬の心臓病のなかでも、よくみられるのが「僧帽弁閉鎖不全症」です。

今回は、僧帽弁閉鎖不全症の仕組みや症状、必要な検査、治療についてご紹介します。

僧帽弁閉鎖不全症とは?

心臓の左心房と左心室の間には、血液の逆流を防ぐ「僧帽弁」という弁があります。

正常な心臓では、左心室が収縮するときに僧帽弁が閉じ、血液を大動脈から全身へ送り出します。

この弁が十分に閉じなくなり、血液の一部が左心房へ逆流する状態が「僧帽弁閉鎖不全症」です。

犬では、弁が厚くなったり形が変わったりする「粘液腫様変性」が、主な原因となります。

逆流が増えると左心房や左心室に負担がかかり、心臓が大きくなる場合があります。さらに進行すると、肺に水分がたまる「肺水腫」を起こし、呼吸が苦しくなることがあります。

ただし、診断されたすべての犬が、すぐに心不全になるわけではありません。 今どの段階にあるのかを確認し、その子に合った管理をすることが大切です。

どんな犬に多い?

中高齢の小型犬でよくみられます。

チワワ、プードル、マルチーズ、ポメラニアン、シー・ズー、ダックスフンド、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなどで知られていますが、ほかの犬種や雑種、大型犬にも発生します。

特にキャバリアでは、比較的若い年齢から発症することもあります。

「まだ若いから」「小型犬ではないから」と判断せず、健診で心雑音を指摘された場合は、必要な検査を相談しましょう。

気づきたい症状と、咳について

初期には症状がなく、いつもどおり生活していることも珍しくありません。

病気が進行すると、次のような変化がみられる場合があります。

  • 散歩や遊びで疲れやすくなる
  • 安静時や睡眠中の呼吸が速くなる
  • 呼吸に力が入り、苦しそうに見える
  • 咳が増える
  • 元気や食欲が落ちる
  • 失神する、ふらつく

咳だけで、心不全になったとは判断できません。

犬では、気管虚脱や気管支の病気などでも咳が出ます。心臓病と呼吸器の病気が、同時にある場合もあります。

心臓の拡大や肺の状態を検査で確認し、咳の原因を見極めることが大切です。

すぐに連絡してほしい症状

オンライン予約の空きを待たず、まず動物病院へお電話ください。 診療時間外は、対応可能な救急動物病院へご相談ください。

診断に必要な検査

聴診に加え、必要な検査を組み合わせて、弁や心臓、肺の状態を評価します。

血液の逆流に伴う心雑音や、心拍のリズム、呼吸音などを確認します。

心雑音は病気を見つけるきっかけになりますが、音の大きさだけで治療の必要性を判断することはできません。

僧帽弁の形や動き、血液の逆流、左心房・左心室の大きさ、心臓の働きなどを確認します。

診断や、病気の進行の評価に重要な検査です。

心臓の大きさに加え、肺水腫の有無や、気管・気管支などの状態を確認します。

咳や呼吸の変化が、何に関係しているのかを考える際にも役立ちます。

必要に応じて、腎機能や電解質、血圧、不整脈などを確認します。

薬を使う際にも、心臓だけでなく、ほかの臓器への影響を評価することが大切です。

進行の段階によって治療が変わります

僧帽弁閉鎖不全症では、症状や心臓の拡大などをもとに、病期を評価します。

発症しやすい犬種などで、リスクはあるものの、心臓の構造的な異常をまだ認めない段階です。僧帽弁閉鎖不全症を発症している段階ではありません。

弁の異常や逆流はありますが、治療判断の基準となる心臓の拡大がない、または十分ではない段階です。

一般的には心臓病に対する薬を開始せず、定期検査で変化を確認します。

逆流によって心臓が拡大し、検査で一定の基準を満たす段階です。

見た目は元気でも、心不全の発症を遅らせる目的で薬を開始する段階があります。

B1とB2は、心雑音や症状だけでなく、画像検査などをもとに判断します。

僧帽弁閉鎖不全症が原因で、肺水腫などの心不全を起こした段階です。

治療によって症状が落ち着いても、心不全を起こしたことがある場合は、継続した管理が必要です。

標準的な治療を行っても心不全症状が十分に抑えられず、治療の調整や、より専門的な管理が必要な段階です。

お薬や手術について

内科治療

病期や症状に応じて、心臓の働きや血液の流れを助ける薬、余分な水分を排出する利尿薬などを使用します。

ステージB2では、基準を満たす犬にピモベンダンを使用することで、心不全の発症などを遅らせる効果が示されています。

心不全を起こしている場合は、複数の薬を組み合わせたり、呼吸状態によって酸素投与や入院管理を行ったりします。

薬の種類や量は、その子の病期、腎機能、血圧、治療への反応などによって異なります。

内服で変性した弁そのものを元に戻すことはできませんが、症状の緩和や心不全の発症を遅らせることを目指します。

外科治療

弁や、弁を支える組織を修復する「僧帽弁形成術」という選択肢もあります。

手術には専門的な設備や技術が必要です。病期や全身状態、期待できる効果とリスクを踏まえて、適応を判断します。

手術をご検討の場合は、かかりつけの獣医師と相談し、必要に応じて手術を実施する専門施設での評価につなげます。

ご家庭で気をつけたいこと

心臓病のある犬では、ご家庭での睡眠中の呼吸数が、体調変化を知る参考になります。

胸やお腹が上がって下がる動きを「1回」として、落ち着いて眠っているときに1分間数えます。暑がっているときや、運動直後、夢を見て体が動いているときは避けましょう。

院内では15秒間の呼吸数を数え、その数字に×4をすることで呼吸数を測定しています。

ただし、呼吸数だけで肺水腫と診断することはできません。担当獣医師と、その子に合った連絡の目安を共有しておきましょう。

呼吸が苦しそうな場合は、数値にかかわらず、すぐにご連絡ください。

運動や食事は、その子に合った方法で

すべての犬で散歩を禁止したり、厳しい食事制限をしたりする必要はありません。

病期に合った活動量や食事を相談し、無理な運動、暑い環境、塩分の多い人の食べ物などに注意しましょう。

特に利尿薬を飲んでいる場合も、自己判断で飲水を制限しないでください。

薬は指示どおり続け、体調が良くなっても自己判断で減らしたり中止したりせず、定期検査を受けましょう。

札幌で犬の僧帽弁閉鎖不全症についてご相談をお考えの方へ

「心雑音を指摘されたので詳しく調べたい」
「治療を始める時期について知りたい」
「現在の治療について、別の獣医師の意見も聞いてみたい」

ノア動物病院では、犬の心臓病についてのご相談を受け付けています。

検査結果やこれまでの経過を確認し、その子の状態に応じた治療や管理についてご説明します。すでに治療を受けている場合は、検査結果やお薬の内容が分かるものをご用意ください。

症状が目立たない段階でも、今の状態を把握しておくことが、その後の管理につながります。気になることがありましたらご相談ください。

犬・猫の心臓病全体については、総合案内「犬・猫の心臓病とは?種類・症状・検査を解説」もご覧ください。

ブログ一覧