こんにちは、看護師の杉谷です!
寒い日が続いていますので皆さん体調にお気をつけください。
さて今回は猫ちゃんの便秘についてお話します。
そもそも便秘って・・・?
便秘とは排便回数が減り、しぶりを伴う排便困難などがみられる状態です。
ウンチが硬く乾燥し、排便時に痛みがあることがあります。
犬に比べて猫に多く、特に高齢の猫は腸の働きが悪くなり便秘になりやすいです。
~便秘のサイン~
- 排便の回数が減る
- トイレに行くが出ない、痛がる
- 嘔吐がある
- お腹が張っている
- コロコロと硬く小さい便しかでない
排便頻度として明確に決まっているわけではありませんが、
丸3日以上でていない場合は要注意です!
便秘になっちゃう原因は・・・?
- 消化器の異常
- 脊髄や神経障害
- 骨盤の異常
- 生活習慣
などが挙げられます。
食事内容や水分不足によって便秘になる場合や、骨盤の変形(怪我など)や奇形、
神経やホルモンの異常で腸の動きが悪くなって便がでにくくなります。
このように慢性的に便秘が続くと結腸がゆるく伸びてしまう
巨大結腸症という病態になってしまいます。
腸が伸びてしまうことでさらに動きが悪くなり、便が出にくくなるという悪循環が生まれます。
治療は・・・?
どのような便秘でも進行すれば結腸が拡張し巨大結腸症になってしまいます。
そのため、便秘の程度にかかわらず早期の治療が大切です。
~内科治療~
- 浣腸
カテーテルを使用し肛門より浣腸液を入れて便を柔らかくし、自力で排便を促す方法です。
- 摘便
浣腸で排便ができない場合は、肛門に指を入れ直接便をかき出します。
この処置は痛みが伴うため、猫ちゃんの性格によっては
鎮静剤の使用が必要になる場合があります。
- 内服薬
便を柔らかくするお薬をその子に合わせて処方します。
- 食事
食物繊維が調整されている療法食を選択します。
嗜好性の問題や他の病気で療法食を食べていて切り替えれない場合、
可溶性繊維のサプリメントを投与することもできます。
~外科治療~
骨盤骨折などが原因で排便ができない場合、整復手術が必要になります。
また、性格や体型によって毎回鎮静薬や麻酔をかける負担が多い場合は、
結腸摘出手術を検討することもあります。
当院のInstagramやブログでも紹介させてもらった
黒猫のバーバズーちゃんも慢性便秘の治療をしています!
↑このレントゲンの写真はズーちゃんのお腹の画像です。
黄色の線で囲っているところがパンパンに溜まっているウンチです。
ズーちゃんも自力で排便ができず、お腹が痛く鳴いたり
吐いたりという症状がありました。
摘便や浣腸をして内服薬やサプリメント、療法食など様々な治療をしてきました。
フードと内服薬の調整を繰り返し、
今現在は浣腸などの処置なしで
療法食と以前より少ない種類の内服薬で維持できています!
お薬も毎日頑張って飲んでくれているので
このまま元気に過ごしていってほしいです。
ウンチが硬い、出ない、嘔吐などの症状が
ある場合は早めの診察をおすすめします。
早期の対応が大切です。
小さな症状でもお気軽にお問い合わせください。