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ノアに除細動器が導入されました

札幌も暖かい日が増え、道端の雪も少なくなってきました。

春になり、心機一転、新しい出来事への期待に胸を膨らませる人、ますます増えるお散歩日和に心躍らせるわんちゃん、心地よいお昼寝を心ゆくまで楽しもうという猫ちゃんと、それぞれ春の到来を待ちわびていたことと思います。

獣医師の中村です。

ノア動物病院は救急医療にも力を入れていますが、より多くの命を救うために、この春、除細動器が導入されることになりました。

心臓は、全身に血液を送るためのポンプ機能を持つ臓器です。毎日休むことなく収縮と拡張を繰り返しますが、その動きは規則的な電気活動によって制御されています。

そのような心臓の機能に問題が生じ、全身に送る血液量(=心拍出量)が不十分で血圧を保てない状態になってしまうと「心肺停止」と呼ばれる状態に陥ることがあります。

「心肺停止」になった動物には、迅速に心臓マッサージや人工呼吸を行わなければなりません。そして、心臓を動かすための薬や血圧をあげるための薬などを使用し、獣医師、看護師が一丸となって自己心拍の再開を目指します。

ただ、中には、心臓が単に止まった状態ではなく、「動いてはいるけれど、規律の取れた動きではないため心拍出量を保てない」状態となっている場合があります。その際(PVT:無脈性心室頻拍※1、VF:心室細動※2)に、自己心拍の再開に必要となるのが除細動器です。

除細動器は、心臓の電気活動を再同期させること、つまり、バラバラになってしまった心臓の電気活動を、大きな電流を流すことで一気に同期させることが目的です。

動物の場合、このように胸をはさむ形でパドルを当てて、電流を流します。実際は、周りの人が感電しないように台から離れ、手袋を装着して実施します。 (協力:ぺぺ)

成功すれば、心臓の動きは正常なリズムに移行してくれます。(ちなみに、AED:自動体外式除細動器は、自動で心臓の動きを解析した後、除細動が必要であれば実行するようになっています)

もちろん、除細動器が必要となる機会がないに越したことはありません。

でも、もしもの時に万全の対策で対応できるよう、そしてまたいつもの日常に戻れるよう、可能なかぎりの治療を提供できる病院でありたいと思います。

※1 PVT:無脈性心室頻拍 心拍が速すぎるため心臓の拡張が間に合わず「空打ち」状態になり、心拍出量が低下した状態。脈を触知できない。

※2 VF:心室細動 心室(心臓の中の、血液を全身に送り出す部屋)のあちこちで無秩序な興奮が発生し、拍出が全くできていない状態。脈を触知できない。

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