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猫免疫不全ウイルス

こんにちは、動物看護師の寺越です。

みなさんは猫免疫不全ウイルス(FIV)、一般的に「猫エイズ」と言われているこの病気を知っていますか?

この病気のウイルスは血液や唾液に存在していて、一度感染すると取り除くことはできません。

エイズの猫ちゃんとケンカをすると、その唾液が傷口から体内に侵入し感染します。

猫エイズには5段階ステージがあり、感染したからと言ってすぐ焦る必要はありません。

とはいえどんな症状があって、どう向き合っていく必要があるのかピンとこないですよね・・・

まずはどんな症状があるのか見てみましょう⇩

 

ステージ1(急性期):エイズに感染してから数日は発熱・下痢・リンパの腫れなど症状が現れます。

そして1~3か月を過ぎると、体の中でウイルスの抗体が作られ、無症状の期間が続きます。

ステージ2(無症状キャリア期):症状は特になく、生涯キャリア期で過ごす子もいます。

この間に免疫システムが徐々に壊れていくと、ステージが進んでいき様々な症状が出るようになります。

ステージ3(持続性全身リンパ節症期):全身にあるリンパ節が腫れてきます。

ステージ4(エイズ関連症候群):徐々に体の免疫機能が低下していき、病気と闘う力が弱くなってきます。

ステージ5(エイズ期):免疫機能が働かなくなり、病気と闘う力がなくなり感染症や炎症、悪性腫瘍(特にリンパ腫)の発生がしやすくなります。最終的には食欲や元気がなくなり最終的に亡くなってしまいます。

 

ざっとステージ別に説明しましたが、結局何に気をつけるのが一番大事なのか?

それは・・・発症させないこと!!

そもそも感染しないことではあるのですが、感染していても必ずしも怖い病気ではないということを知ってほしいです。

発症させないために大事なことは

「ストレスをかけないこと」

猫エイズはストレスの少ない環境にしてあげることで発症・進行を抑え、生涯発症しないで一生を過ごせる子も多いんです。

栄養のある食事を与え、過ごしやすい環境作りを心掛けてあげてください。

※特にエイズの猫ちゃんではカリシウイルスという別のウイルスが悪さをし、口内炎ができやすく悪化しやすいです。

私たち人でも口内炎ができると食べ物が染みたりして、ご飯を食べたくても気が乗らない時ありますよね・・・猫ちゃんも同じく辛い症状です。

定期的にお口の中を見たり、ご飯を食べづらそうにしていないかなど日頃から見てみてください。

 

もし発症した場合、根本的な治療法はなく、症状が出た時はそれに対する対症療法を行います。

・免疫力低下による感染予防の抗生剤の使用

・免疫を補助してくれる薬の使用

・血液の異常で貧血になった場合には、輸血や貧血を改善するお薬を使うこともあります。

 

今感染していない子は、感染しないためにも室内で飼育することが推奨されています。

室外で感染症をもらってくるかもしれない、負傷する可能性、自分が他の子に移してしまうなんてことにもなりかねません。

感染、発症しないためにも室外に出さない・ノラ猫との接触を避ける・エイズを持っている子とは部屋を分けるなど、工夫することが大切です。

 

余談にはなりますが、私が飼っている猫のジークもFIVを持っていて、現在はキャリア期です。

ジークにとっては昔からケージの中が一番落ち着く場所なので、留守番をする時は3段ケージにいれています。

私が家にいる時は猫じゃらしで遊んだり、自由に過ごせるようにしています。

家に来てから6年ほどが経ちますが、食欲旺盛でご飯をあげすぎて最近体重が増えてしまったので、ダイエットしようかなと思っているくらい元気です。

このままのびのびと過ごしてほしいと思います。

 

 

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