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犬の水頭症
こんにちは!看護師の鈴木です。
最近暑い日が続いておりますが、みなさん元気にお過ごしでしょうか🌻
さて今回は犬の水頭症についてお話ししたいと思います。
水頭症とは、脳や脊髄を循環する脳脊髄液という液体が何らかの原因で増えて脳室という空間が
異常に拡張し、脳を圧迫することが原因で起こる病気です。
下の図のように黒い部分が脳室と呼ばれる部分で、水頭症の方が拡張していることが分かります。
症状としては、
・落ち着きがない
・ぼんやりしている時間や眠っている時間が多い
・頭を押しつける
・歩き方がおかしい
・けいれん発作
・視覚喪失
などがみられることがあります。
これらの症状は脳のどの部分に障害が起きているかによって異なります。
また水頭症の特徴的な身体症状として、頭部がドーム状に腫れていたり、
外腹側斜視(目が外の下方向を向いている状態)などがあります。写真は水頭症のチワワちゃんです。
しかし、水頭症があっても、特に目立った症状が現れない場合もあります。
診断には、頭部のレントゲン検査やエコー検査を用いることが多く、泉門と呼ばれる頭頂部の頭蓋骨の
閉鎖不全(通常、開いていても特に問題はありません)やドーム状の頭蓋冠が認められた場合、
水頭症が疑われます。下の写真の指の辺りに泉門があります。
愛犬のむむ チワワの3歳の男の子です。
ちなみに、うちの子は泉門が開いていますが特に異常はありません。
さらにCTやMRIを撮ることで脳室全体を確認できるほか、脳の病変の有無も確認でき、より正確な
診断ができます。また、脳神経の機能を評価するため神経学的検査もあわせて行われます。
水頭症には、胎児のときのウイルス感染や発育不全などが原因で発症する「先天性水頭症」と
頭部の外傷や脳炎、脳腫瘍が原因で脳脊髄液の循環経路が絶たれたり、過剰に産生されることで
発症する「後天性水頭症」の二つに分けられます。
チワワやトイ・プードル、ポメラニアン、ヨークシャ・テリア、パグなどの小型犬種に多く、
2~3ヶ月齢の子でよく見られる先天性に対し、後天性は発症時期や年齢は限定されません。
治療としては、脳脊髄液の量を減らし、脳圧を下げる薬剤を用いる内科的治療と、
脳にたまった脳脊髄液を腹腔などに流すための手術を行う外科的治療があります。
水頭症を予防することは難しいですが、発症しやすいと言われている犬種を飼われている方は、
行動の異常がないかなど普段からよく確認することが重要です。
もし先ほどお話ししたような症状が見られた場合は、できるだけ早めに病院に相談し
検査することをおすすめします。お気軽にお問い合わせください。